三月から私たちの生活に大きな影響を与えてきた不要不急の外出禁止要請がこの一ヶ月で少しずつ緩んできました。 いろいろな店が前もって注文した商品をカーブサイドでピックアップ出来るサービスを行うようになり、レストランも外にある席なら座って食事ができるようになりました。 私たちの近所の屋外プールも開きましたが、 新しいルールがたくさん決められました。 例えば、 水に入っていない時は必ずマスクをつけることとプール用のおもちゃは使えないこと。 いつもあるはずのプールサイドのイスやテーブルは全て撤去され、 その代わりに2メートルずつ一つの家族が荷物を置けるスペースが赤いテープで示されてあるだけなので、 もしプールのそばにゆっくり座りたければ、 各々自分の家から椅子を持参して下さいとの決まりになりました。
サンマテオ郡でもお寺や教会に対して新しい規則が発表されたため、「いつまた本堂で参りが出来るでしょうか」という問い合わせが何度かありました。サンマテオ郡の衛生局長モロー・スコット医師はお寺や教会に対しての規則を発表した際、全郡の聖職者への手紙を書いて自分の考えを示されました。彼は手紙の一部で次のように述べられています。「皆さんとその信者に分かってほしいことがあります。宗教的な集まりが許されている理由には、そういった集まりが安全だからということではありません。実は、何人の集まりであっても、集まることは安全だと思いません。」その後、モロー医師は聖職者のためのタウンホール・ミーティングを開かれました。
モロー医師の説明によれば、不要不急の外出禁止要請の協力のお陰で幸い患者が急増することなく、病院のベッドが不足する事態もおきませんでしたが、新型コロナウイルスの感染はまだサンマテオ郡に普及しているのが現状とのことです。先日にサンフランシスコ・クロニクル新聞に出た記事によると確かにサンマテオ郡が外出禁止要請を5月18日に緩め始めた頃から、新しい感染者数は31.5%増加しています。最近「新型コロナウイルスの最も危ない時期はもう終わった。」という意見をよく聞きますが、それについてカリフォルニア大学サンフランシスコ校舎大学病院(UCSF)の感染病の専門家ジョージラザフォード医師は別の新聞の記事にて次のように述べてられています。「このウイルスはラジオのニュースも聞かないし、新聞も読まないし、C N N のテレビニュースもみ見ません。このウイルスは繁殖するだけが存在の目的です。」
聖職者のためのタウンホールの際、モロー医師はもしお寺や教会が集まろうとすれば、その危険性を十分に参加者に発表する必要があると述べ、次の方針を発表されました。建物の中よりなるべく外に集まった方が安全です。50歳以上の方は集まりに参加すべきでない。聖職者を含め、全ての参拝者は必ずマスクをつけるべきである。共用の聖典や香合は使用すべきでない。さらにモロー医師は「となえることと歌うことは一番効率的にウイルスを広く拡散させ、たくさんの人に感染を及ぼす方法なるため、集まりの時に本当にして欲しくありません。」と述べられました。
このようにモロー医師は、集まってお経をとなえたり讃歌を歌ったりするのは非常に危険であるため、できればインターネット中継を使ってお参りすることを勧めています。サンマテオ仏教会は今後もインターネットのテレビ電話でのお参りを続けますので、http://sanmateobuddhisttemple.org/subscribe/からサブスクライブしていただければ参拝方法の説明をお送りします。パソコンを使われない方は (650) 446-6670 に電話をかけていただければ、そのままお参りを聞くことが出来ます。この番号にはI Dやパスワードは必要ありません。
法事もテレビ電話を利用して執り行っています。一ヶ所に集まってお参りしたい場合でも、北米開教本部からの指導で49日、100日、一周忌、三回忌などの定期的な法事の日程は安全に集まることが出来るようになるまで延期可能の方針をいただいています。もしマスクをして2メートルの距離を保つことが出来れば、屋外で集まってお参りをすることは出来ますが、その場合お経をとなえる代わりに拝読するだけとなります。
以上のようなお焼香なし、お経をとなえることなし、恩徳讃を歌うことなしのお参りのかたちを考えますと、念仏者として何の行いが必要なのかという問いが心に浮かんできます。幸い、親鸞聖人はこれについて御消息(25)にはっきりと述べられています。
往生は間違いないという思いが定まったなら、 仏のご恩に報いようとして特に何か考えなければならないことはありません。 ただ心から念仏するのがよいと思います。
私は皆でまた本堂に集まって、一緒にお焼香して、仏様の前に肩を並べてサンマテオ仏教会らしく大きな声を出してとなえることができる日を楽しみにしています。その日が来るまで、報恩の心から生まれる他力念仏を申せば他に何も考えなくてよいという親鸞聖人の教えから安心をいただきながら一瞬一瞬を大切に過ごしましょう。
南無阿弥陀仏