片手かけたり

              サンマテオ仏教会では毎年10月上旬にペット・植物追悼法要を行います。これは可愛がっていたペットを偲んだり、仏前にお供えする花々をはじめ、私たちの命を支えてくれている植物の命に対しての感謝の気持ちを表すためのお参りです。今年の法要は2020年10月4日の9時半からオンラインで予定されています。

              仏前にお供えする花々は、私たちの人生の導きとなる仏様の教えへの感謝の気持ちを表しています。新鮮で元気な状態でお供えする花々は日が経つにつれ枯れたり、散ったりすることによって、全ての命は無常であることを教えてくれているのです。

              ペットを飼っている方の中には、そのペットに対して家族のような愛情を持っている方が少なくないでしょう。そのため、ペットと別れる時の悲しみと寂しさは深いに違いありません。このように命が無常であることに気づかされるその時こそ、仏様の教えに耳を傾けるご縁の時であり、私たちが今日ここに生かされていることは誠に不可思議で大変有り難いことだと改めて実感することができるのです。

              昨年のある日、息子たちが家に飛び入ってきて、「お母さん!お父さん!早く来て!大きいカマキリが裏庭にいるよ!」と興奮して言うので、それまで野生のカマキリを見たことなかった私は、カマキリを是非見たいと思い、急いで息子たちの後について裏庭に行きました。庭に出ると、10センチくらいのとても大きいカマキリがパティオにいました。これまで見たカマキリの中で一番大きいカマキリが自分の庭にいたことに私はとても感動しました。

              実はその野生のカマキリを裏庭で見つけた数年前の三月頃、私たち家族はナーサリーで長男が見つけた容器に二つ入っているカマキリの卵しょうを買って家で育ててみることにしました。私はカマキリが孵化すれば、私たちが庭で育てている野菜を食べる虫を減らしてくれる便利なペットになるだろうと思っていました。そして約一週間後に、その卵しょうから孵化した何百匹もの極小のカマキリ達が一斉に出てきました。孵化した後すぐに裏庭の茂みに放しましたが、カマキリ達は共食いをしたり、鳥に食べられたりして、残念ながらその数はすぐに激減してしまいました。初夏の時点で、もう庭でカマキリの姿を見るのが珍しくなっていました。そして最後に見かけたのは6月で、長さ3センチメートルぐらいのものが一匹だけでした。

              カマキリが孵化した時のその小ささとその命のはかなさを見た後で、長さ10センチものカマキリが自分の庭に現れたのはどれほど不可思議なことかと私は実感しました。この時私は、お念仏を喜んでいた小林一茶の次の俳句を思い出しました。

蟷螂(とうろう)片手(かたて)かけたりつり(がね)

私たちは人生の中で無常の風が常に吹いていることに気づかされる時があります。毎日安全で安定した暮らしをするために頑張っているにもかかわらず、実はその命はつり鐘に片手でかかっている蟷螂(かまきり)のようにはかないものなのです。

私は仏様が説く諸行無常を、今年の新型コロナウイルス、そしてこの9月上旬に始まった西海岸に広まっていた記録的な山火事で改めて気づかされました。今の世の中に生きるのは大変ですが、命が無常であることに気づき、仏法に耳を傾けるご縁に恵まれたことに心から感謝します。親鸞聖人の「教行信証」に次の言葉があります。

今、人として生まれたとことを考えると、それは実に得がたいことである。

このことは、たとえば、優曇華がはじめて咲くようなものである。

今まさに、聞きがたい浄土の教えを聞く縁に会うことができた。

今まさに、念仏の教えが説き開かれるときに会うことができた。

(浄土真宗聖典『顕浄土真実教行証文類』現代語訳 82頁)

今日、私たちがここに生かされているのは誠に不思議なご縁です。私たちはこの尊い命をどう過ごせばよいでしょうか?私はお念仏の教えに耳を傾け、ただ南無阿弥陀仏を申します。

南無阿弥陀仏

立ち上がっていく力

毎年、盂蘭盆会と初盆法要の時期を迎えるたびに、別れの悲しさの中にも安らぎを与えてくれるお念仏の力に気づかされます。毎年、サンマテオ仏教会のお盆の行事が終わると、もうその次の週に私の息子達の学校が始まるので、私にとってお盆が終わると夏が終わったという気持ちになります。異例の今年の夏は、初盆法要の後片付けをしながら、新型コロナウイルスが終わったらお供えのおまんじゅうをいつか皆で食べるために取っておこうと思い、久しぶりに仏教会の冷凍庫を開いてみると、大量のハンバーガーパティが入っていて、毎年の仏教会の夏のピックニックの時に食べるハンバーガーの美味しさを思い出して、今年の夏に出来なかった仏教会の行事が次々と思い浮かんできました。私にとって夏の始まりであるバザー、仏教婦人会が七月に行うコルマ日本人共同墓地のお墓参り、そのお墓参りの後のサウスサンフランシスコのデニーズレストランでの婦人会の方たちとのブランチ、四年ぶりに企画していた家族との日本旅行、仏教会のサマー寺子屋、盆踊りの練習の時に食べるスパムむすび、仏教会の本堂が満堂になる盂蘭盆、そして、初盆の参拝者の方々と一緒に唱えるお経の響きの全ては、残念ながら今年の夏は経験することが出来ませんでした。

今年の初盆法要の際、私は先亡者のお名前を聞きながら、その方々との思い出と仏教会の夏の行事の思い出とが重なり次々と思い出されました。同時に、楽しみにしていた夏の行事が全て出来なかったことに対しての悲しさや虚しさを感じもしました。愛別離苦(愛している人や物事から離れる苦しみ)というのは皆が必ず会う八つの苦しみのうちの一つであり、それは、釈迦牟尼仏が悟りを開いた後、初めて説教された時に説かれた四諦の教えに詳しく述べられてあります。釈迦様の教えは私たちが苦しみから解放されるために説かれた教えであり、お盆、初盆、お彼岸などの大法要の際に仏様の智慧の光を仰ぐことによって、悲しみや苦しみの中にも安らぎをいただくことが出来ます。現状では、テレビ電話や電話でのお参りが主で最も安全な方法で以前のお参りと異なりますが、それでもこのお盆の季節に心に安らぎを与えてくれる有難いご縁の一つになったと言えるでしょう。

不急不要外出禁止令が初めて発表されたのは今年の3月の春季彼岸会の直前でした。それから半年経つ2020年9月20日(日曜日)に、秋季彼岸会をオンラインにてお勤め致しますが、今年の春と秋の彼岸の間の生活はずっと新型コロナウイルスに大きく影響されるものとなってしまいました。仏教において、彼岸はこの苦しみの世界(此岸)から仏様の悟りの世界(彼岸)に渡るという意味を表しています。先月8月の盂蘭盆会の際、桑原浄信先生はお念仏によって仏様の悟りの世界が私たちに働きかけてくれることについてお盆のご法話をしてくださり、「念仏もうすところに立ち上がっていく力が与えられる。」という西元宗助先生のありがたい言葉を紹介してくださいました。仏様が苦しんでいる私たちを救いたいというお心は南無阿弥陀仏という形になり、今日の私たちにまで届いて安心を与えてくださっているのです。

新型コロナウイルスの緊急状態もいつか終わる時が来るでしょう。形は多少変わるかもしれませんが、仏教会のありがたい行事もいつか必ず戻ってきます。その時はお念仏の仲間と共に立ち上がっていくことを楽しみにしています。ツインシティズの土屋トッド先生(歌詞)とサクラメント別院の水島コウイチさん(出演)が「ハミルトン」というミュージカルに基づいて製作したパロディーのYouTubeビデオにそのお念仏申すところに立ち上がっていく力が表現されています。土屋先生が書かれたその歌詞の翻訳は次の通りです。

私たちは今度会う時に、きっと笑う

我慢したことは価値があったからだ

以前に大変なことは色々あったにもかかわらず

私たちの仏教会はまた立ち上がってきたのは

無量の慈悲のお陰であったのです。

南無阿弥陀、南無阿弥陀仏

ただ念仏を申すのが良い

南無阿弥陀仏

念仏の心-終戦75周年を迎えて-

8月23日に日本語法要をインターネットと電話でライブ中継をしました。

歎異抄 第八章

念仏ねんぶつ*ぎょうじゃのために、 ぎょうぜんなり。 わがはからひにてぎょうずるにあらざれば、 ぎょうといふ。 わがはからひにてつくるぜんにもあらざれば、 ぜんといふ。 ひとへにりきにして、 りきをはなれたるゆゑに、 ぎょうじゃのためには、 ぎょうぜんなりと云々うんぬん

特別講師 桑原浄信先生 盂蘭盆会の法話

2020年8月9日に桑原淨信先生がサンマテオ仏教会で盂蘭盆会及び初盆法要の御法話をありがたく聞かせていただきました。

Autumn Ohigan (Equinox) Service

September 20, 2020

Guest Speaker (English)

Rev. Diana Thompson

Tri-State Denver Buddhist Temple

Check out Rev. Thompson’s messages on the Tri-State Denver Buddhist Temple Website

日本語の御講師

林斉昭先生

恵光寺(ワシントンDC)

Ekōji Buddhist Temple

林先生のご紹介

Under these extraordinary circumstances, we invite you to join us from the safety and comfort of your own home for an online Autumn Ohigan Service via the Zoom Meeting internet program on Sunday, September 20, 2020 at 9:30 a.m. during which we will remember our loved ones who have crossed over to the Other Shore.  Please do not come to the temple in person.

Schedule
8:30 a.m. Shoshinge Gyofu Chanting
9:00 a.m. Taiso Morning Exercise with instructor Juliet Bost
9:30 a.m. Autumn Ohigan Dharma Service with English Language Message by Rev. Diana Thompson
10:30 a.m. 日本語法話 林斉昭先生 Japanese Language Dharma Message by Rev. Nari Hayashi

To join us for this online Autumn Ohigan Service, CLICK HERE to sign up for “Live Broadcast of Services”.

現在感染が拡大している新型コロナウイルス感染を防ぐため、サンマテオ仏教会本堂内に集まることはできませんが、オンラインや電話を通して秋季彼岸会を行います。

そこで、2020年9月20日の9時30分から初盆法要をインターネットと電話でライブ中継をする予定です。自宅からご参拝されたい方は次の手順でご参加下さい。

ご参拝したい方はここにクリックして、”Live Broadcast of Services”に登録してください。

帰省

日本では、通常、お盆の時期は多くの人たちが実家に帰省するため一年の中で交通量が最も忙しくなる時期の一つです。毎年この時期は、サンマテオ仏教会でも多くの方が盆踊りの練習や盆踊りのために一年ぶりに仏教会に来てサンガとの絆を大切にします。毎年の初盆法要では、前年のお盆以降に往生された方々を偲ぶため、遠方からお参りに来られるご家族らもおられ、多くの方がご参拝に来られます。残念ながら今年の初盆は、新型コロナウイルスの感染を防ぐために仏教会に集まることが出来ませんが、その代わりに8月9日(日曜日)にオンラインと電話で盂蘭盆及び初盆法要を行います。この異例の今年のお盆の迎え方は、この時期の帰省の意義を考えさせてくれます。

盂蘭盆会(お盆)という仏教の行事は釈迦様とその弟子の目犍連尊者の話に基づいていると言われています。目犍連尊者は母親へのご恩の気持ちが深く、

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本願とブラック・ライブズ・マター

7月26日に日本語法要をインターネットと電話でライブ中継をしました。

本願(第十八願)

わたしが仏になるとき、 すべての人々が心から信じて、 わたしの国に生れたいと願い、 わずか十回でも念仏して、 もし生れることができないようなら、 わたしは決してさとりを開きません。 ただし、 ()(ぎゃく)の罪を犯したり、 仏の教えを謗るものだけは除かれます。

第三願

わたしが仏になるとき、 わたしの国の天人や人々がすべて金色に輝く身となることがないようなら、 わたしは決してさとりを開きません。

第三十五願

わたしが仏になるとき、 すべての数限りない仏がたの世界の女性が、 わたしの名を聞いて喜び信じ、 さとりを求める心を起し、 女性であることをきらったとして、 命を終えて後にふたたび女性の身となるようなら、 わたしは決してさとりを開きません。

Obon and Hatsubon Service

August 9, 2020

Guest Speaker (English)

Rev. Harry Gyokyo Bridge

Buddhist Church of Oakland

Learn more about Rev. Bridge

日本語の御講師

桑原淨信先生

浄土真宗本願寺派バークレー仏教会

桑原先生のご紹介

Obon music video by Rev. Bridge

Under these extraordinary circumstances, we invite you to join us from the safety and comfort of your own home for an online Obon & Hatsubon Memorial Service via the Zoom Meeting internet program on Sunday, August 9, 2020 at 9:30 a.m. during which we will remember our loved ones who have crossed over to the Other Shore.  Please do not come to the temple in person.

Schedule
8:30 a.m. Shoshinge Gyofu Chanting
9:00 a.m. Taiso Morning Exercise with instructor Juliet Bost
9:30 a.m. Obon and Hatsubon Dharma Service with English Language Message by Rev. Harry Gyokyo Bridge
10:30 a.m. 日本語法話 桑原淨信先生 Japanese Language Dharma Message by Rev. Kiyonobu Kuwahara

To join us for this online Obon & Hatsubon Service, CLICK HERE to sign up for “Live Broadcast of Services”.

現在感染が拡大している新型コロナウイルス感染を防ぐため、サンマテオ仏教会本堂内に集まることはできませんが、オンラインや電話を通して盂蘭盆会及び初盆法要を行います。

そこで、2020年8月9日の9時30分から初盆法要をインターネットと電話でライブ中継をする予定です。自宅からご参拝されたい方は次の手順でご参加下さい。

ご参拝したい方はここにクリックして、”Live Broadcast of Services”に登録してください。

(SMBT Obon lanterns photo by Aiko Chikaba)

ただ心から念仏するのがよい

            三月から私たちの生活に大きな影響を与えてきた不要不急の外出禁止要請がこの一ヶ月で少しずつ緩んできました。 いろいろな店が前もって注文した商品をカーブサイドでピックアップ出来るサービスを行うようになり、レストランも外にある席なら座って食事ができるようになりました。 私たちの近所の屋外プールも開きましたが、 新しいルールがたくさん決められました。 例えば、 水に入っていない時は必ずマスクをつけることとプール用のおもちゃは使えないこと。 いつもあるはずのプールサイドのイスやテーブルは全て撤去され、 その代わりに2メートルずつ一つの家族が荷物を置けるスペースが赤いテープで示されてあるだけなので、 もしプールのそばにゆっくり座りたければ、 各々自分の家から椅子を持参して下さいとの決まりになりました。

      サンマテオ郡でもお寺や教会に対して新しい規則が発表されたため、「いつまた本堂で参りが出来るでしょうか」という問い合わせが何度かありました。サンマテオ郡の衛生局長モロー・スコット医師はお寺や教会に対しての規則を発表した際、全郡の聖職者への手紙を書いて自分の考えを示されました。彼は手紙の一部で次のように述べられています。「皆さんとその信者に分かってほしいことがあります。宗教的な集まりが許されている理由には、そういった集まりが安全だからということではありません。実は、何人の集まりであっても、集まることは安全だと思いません。」その後、モロー医師は聖職者のためのタウンホール・ミーティングを開かれました。

モロー医師の説明によれば、不要不急の外出禁止要請の協力のお陰で幸い患者が急増することなく、病院のベッドが不足する事態もおきませんでしたが、新型コロナウイルスの感染はまだサンマテオ郡に普及しているのが現状とのことです。先日にサンフランシスコ・クロニクル新聞に出た記事によると確かにサンマテオ郡が外出禁止要請を5月18日に緩め始めた頃から、新しい感染者数は31.5%増加しています。最近「新型コロナウイルスの最も危ない時期はもう終わった。」という意見をよく聞きますが、それについてカリフォルニア大学サンフランシスコ校舎大学病院(UCSF)の感染病の専門家ジョージラザフォード医師は別の新聞の記事にて次のように述べてられています。「このウイルスはラジオのニュースも聞かないし、新聞も読まないし、C N N のテレビニュースもみ見ません。このウイルスは繁殖するだけが存在の目的です。」

            聖職者のためのタウンホールの際、モロー医師はもしお寺や教会が集まろうとすれば、その危険性を十分に参加者に発表する必要があると述べ、次の方針を発表されました。建物の中よりなるべく外に集まった方が安全です。50歳以上の方は集まりに参加すべきでない。聖職者を含め、全ての参拝者は必ずマスクをつけるべきである。共用の聖典や香合は使用すべきでない。さらにモロー医師は「となえることと歌うことは一番効率的にウイルスを広く拡散させ、たくさんの人に感染を及ぼす方法なるため、集まりの時に本当にして欲しくありません。」と述べられました。

            このようにモロー医師は、集まってお経をとなえたり讃歌を歌ったりするのは非常に危険であるため、できればインターネット中継を使ってお参りすることを勧めています。サンマテオ仏教会は今後もインターネットのテレビ電話でのお参りを続けますので、http://sanmateobuddhisttemple.org/subscribe/からサブスクライブしていただければ参拝方法の説明をお送りします。パソコンを使われない方は (650) 446-6670 に電話をかけていただければ、そのままお参りを聞くことが出来ます。この番号にはI Dやパスワードは必要ありません。

法事もテレビ電話を利用して執り行っています。一ヶ所に集まってお参りしたい場合でも、北米開教本部からの指導で49日、100日、一周忌、三回忌などの定期的な法事の日程は安全に集まることが出来るようになるまで延期可能の方針をいただいています。もしマスクをして2メートルの距離を保つことが出来れば、屋外で集まってお参りをすることは出来ますが、その場合お経をとなえる代わりに拝読するだけとなります。

            以上のようなお焼香なし、お経をとなえることなし、恩徳讃を歌うことなしのお参りのかたちを考えますと、念仏者として何の行いが必要なのかという問いが心に浮かんできます。幸い、親鸞聖人はこれについて御消息(25)にはっきりと述べられています。

往生は間違いないという思いが定まったなら、 仏のご恩に報いようとして特に何か考えなければならないことはありません。 ただ心から念仏するのがよいと思います。

私は皆でまた本堂に集まって、一緒にお焼香して、仏様の前に肩を並べてサンマテオ仏教会らしく大きな声を出してとなえることができる日を楽しみにしています。その日が来るまで、報恩の心から生まれる他力念仏を申せば他に何も考えなくてよいという親鸞聖人の教えから安心をいただきながら一瞬一瞬を大切に過ごしましょう。

南無阿弥陀仏