財物がなくても他の人に出来る布施の一つは、相手を憎むことなく、優しい眼差しで接することだと説かれています。ここに言う優しい眼差しとは、ただ目の前に起こっていることだけを見ているのではなく、私たちにお慈悲の心をもって苦しんでいる人たちに手を差しのべるよう後押ししてくれています。
盂蘭盆会(お盆)という仏教の行事は、釈迦様とその弟子の目犍連尊者の話に基づいていると言われています。すでに悟りを開いていた仏弟子の目犍連尊者は天眼という優れた視力をもっており、生死の境を超えて因果の動きを見ることが出来ました。ある時、目犍連尊者はその視力を使い、六道*の世界の中で亡くなった自分の母親を探しました。すると、母親が餓鬼道という欲が多く、決して満たされることのない、とても苦しい世界に落ちているのが見えました。
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