12月5日(日曜日)午前9時半からサンマテオ仏教会にて釈迦牟尼如来が35歳の時に菩提樹の下でもろもろの魔を伏し、悟りを完成したことを祝う成道会をお勤めします。本堂で御参拝ご希望の方は、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了された方に限り30名まで枠があり、事前登録が必要ですので、お早めにメールsmbt@sanmateobuddhisttemple.org 、又はお電話 (650) 342-2541にてご連絡をお願いいたします。尚、今まで通り、オンラインや電話を通しての永代経法要参拝も可能です。
釈迦さまは29歳の時に出家し悟りの道を求める旅に出られました。お釈迦さまが求めた仏になる道とは自分だけがさとりの世界に至る道ではなく、すべての人々がその世界に至ることができる誰もが歩める道であったので、仏の成道ができた時にはそれまで目指していた悟りの世界に辿り着いただけではなく、それから全ての人々を各々の悩みから救うための道のりも明らかになったのでした。
では、釈迦さまはさとりを開いた後、どの道を歩まれたのでしょうか?お釈迦さまはお成道が完成すると、次にすべての人々が悟りを開ける道を導くための法を説かれました。それから、数え切れないほどの仏様方が皆同じ悟りの道を歩まれていきました。その道は仏説無量寿経に次のように述べてあります。
仏になったこの菩薩はあちらこちらに足を運び、 説法を始める。 それはあたかも、 太鼓をたたき、 法螺貝を吹き、 剣を執り、 旗を立てて勇ましく進むように、 また雷鳴がとどろき、 稲妻が走り、 雨が降りそそいで草木を潤すように、 教えを説き、 常に尊い声で世の人々の迷いの夢を覚すのである。
その光明は数限りない仏の国々をくまなく照らし、 すべての世界はさまざまに震動する。 この光明は魔界にまで及び、 魔王の宮殿をも揺り動かすのである。 そこで悪魔どもはみな恐れをなして、 降伏してしたがわないものはない。 このようにして世間の誤った教えをひき裂き、 悪い考えを除き去り、 さまざまな煩悩を打ち払い、 貪りの堀を取り壊すのである。 正しい法の城を固く守って広く人々に法の門を開き、 煩悩の汚れを洗いきよめ、 ひろく仏の教えを説き述べて、 人々を正しいさとりの道へ導き入れるのである。
(『浄土真宗聖典 浄土三部経 現代語訳』6〜7頁)
十人十色、人は個々それぞれ個性があるため、釈迦さまはそれら個々一人一人が悟りの道に入れるよう様々な法門を説かれました。釈迦さまは成道された35歳の時から入滅される80歳までの45年間の間に八万四千もの教えを説かれました。その数多い教えの中から、自分がさとりを開く道に出会うことも大切ですが、仏道というのは自分だけが利益を得るための道ではないので、さらに大切なことは皆と一緒に利益を得うる道に出会うことと言えるでしょう。
阿弥陀さまが建てられた本願の力によって悟りの世界へと向かう道を他力本願のお念仏に生きる道と言い表すことが出来ます。そして、この他力本願を拠りどころとするお念仏に生きる道こそが私にとっての悟りへの道と言うことが出来るでしょう。阿弥陀さまの悟りの世界に往く人は、必ず菩薩として迷いの世界に還り、苦しんでいる人々を悟りの道に導いて下さいます。この往く道と還る道とは一本の繋がった本願他力のお念仏の道と言えるでしょう。釈迦さまは私たちを救うためにこの世に現れ、成仏し、他力本願のお念仏の道を説いて下さったのです。
南無阿弥陀仏