辰年

新年おめでとうございます!干支に2024は辰年で、竜の年です。昔から仏教において、竜は仏法を守る役目を果たすと言われています。そして、多くのお寺で、香炉、襖、お内陣の荘厳などに竜の彫刻や絵を目にします。親鸞聖人の『皇太子聖徳奉讃』に、聖徳太子が建立した四天王寺の敬田院で竜が仏法を常に守っていることが述べてあります。

この()の​うち​に麗水(れいしゐ)あり

荒陵(くわうりよう)()と​ぞ​なづけ​たる

(しやう)(りう)つねに​すみ​て​こそ

(ぽふ)(しゆ)()せしめ​ける

日頃、私たちは財産や身体を守るために色々な手段を使っています。泥棒が家に入らないように家には鍵を掛けて財産や身体の安全を守ります。車にもアラームを付けて窃盗から守ります。スケートボード、アメフト、アイスホッケーなど荒々しいスポーツをする人は身を守るためにプロテクターをつけます。 私が自転車を乗る時には頭を守るためのヘルメットを被り、皮膚を守るための日焼け止めを塗ります。このように、私たちは大切なものを守りたい時や、泥棒や紫外線のような被害を与えるものが中に入らないように様々な手段を取ります。

そう考えると竜が仏法を守ることは不思議に思えるかもしれません。『仏説無量寿経』に阿弥陀如来が次の誓いを成就したと説かれています「(しゅう)のために法蔵(ほうぞう)(ひら)きて、 (ひろ)()(どく)(ほう)()せん。」仏様の教えは誰でも自由にいただけるので、法の蔵に鍵を掛けて守る必要はありません。また、仏法は大乗とも言われ、誰でも自由に乗って生死の海を渡らせることが出来ると説かれていますので、その乗り物を盗人から守るためにアラームをつける必要はありません。

仏法は物質的な形にはなっていないので、人の行為や自然災害によって壊れることはありません。最も仏法を傷つけるのは教えを誤解することです。仏法を自分勝手の都合で意味を変えたり、誤った解釈をしたりすると仏様の教えを害することになります。私たちの自己中心的な考え方を捨て、余すことなくすべての人々を照らす智慧の光を仰ぐことが出来れば、正に功徳の宝をいただくことが出来ます。

仏法の道理をある程度理解したならば、次はその教えを日常生活に実践するために、自分の慣れてきた生き方や固定観念を柔軟に展開できるよう心掛ける必要があります。時々仏様の教えは私たちの自己中心的な考え方と正反対のことを説かれている時がありますが、もしその時に誤った考え方を捨てることがなかったら、仏様の教えとは異なる曲がった解釈になってしまう可能性があります。

竜は自由に人間の世界と天の世界の間を移動すると言われています。仏様の教えを大切にする人々は昔から、仏法の宝がどこに広まっても人間の自己中心的な考え方から守れるようにとの願いを竜の姿で表しています。私たちが日常生活で生かされる中、身の回りの大切なものを守ろうと気をつけるのと同様に、私たちの人生を正しい方向に導くための仏法もこれまでずっと守られてきたので、私たちはその真の宝物に本当の安心をいただくことが出来るのです。

南無阿弥陀仏